なまけものな人間ほど、勤勉に行きつく

頑張りたくないからこそ、計画的に

今日もまた、アラームを何度も止めてようやく布団から這い出しました。正直に言えば、私は一生布団の中で暮らしたいと本気で願っているほど、自他共に認める怠け者です。面倒なことはしたくないし、できることなら最短距離で、あるいは一歩も動かずに物事を済ませたいものです。

しかし、ふと周りを見渡してみると、私と同じように、めんどくさい、が口癖の知人ほど、なぜか仕事が早かったり、家の中が驚くほど整っていたりすることに気づきます。
一方で、いつも、頑張ります、と気合を入れている人ほど、残業が続いていたり、作業の沼にはまっていたりすることもあります。

この、怠けたいという気持ちが強い人ほど、結果として勤勉な振る舞いに辿り着いてしまうという現象は、一体どこから来るのでしょうか。
今日はそんな、一見すると矛盾しているような、怠け者と勤勉の不思議な関係について、のんびりと考えてみたいと思います。

世間でよしとされる「勤勉さ」のイメージ

一般的に、勤勉という言葉から連想されるのは、毎日コツコツと努力を積み重ねることや、辛い状況でも耐え忍んで作業を続けることだと思います。日本には古くから、汗を流して働くこと自体に価値があるという考え方が根強くあります。

学校でも職場でも、まずは一生懸命に取り組む姿勢が評価されます。時間をかけて丁寧に仕上げることは美徳であり、近道を探すことはどこかズルをしているような、不真面目な印象を与えてしまうことも少なくありません。
怠けることは悪であり、勤勉こそが正義である。そんな、白か黒かというようなはっきりとした境界線が、私たちの意識のどこかに刷り込まれている気がします。

「楽をしたい」という情熱

ですが本当にただ耐えることだけが勤勉なのでしょうか?

例えば、家事が面倒でたまらないという怠け者がいたとします。その人は、どうすれば自分が動かなくて済むかを必死に考えます。その結果、最新の全自動掃除機を導入し、汚れがつきにくい家具を選び、最短の動線で片付けが終わるような収納システムを構築しました。

このシステムを作るまでの過程は、傍から見れば非常に熱心で、勤勉そのものに見えるはずです。でも本人の動機は、どこまでも、これ以上動きたくない、という純粋な怠慢心だったりします。

こうした、楽をしたい、という切実な願いは、時にものすごいエネルギーを生み出すことがあります。プログラミングの世界でも、似たような話を聞いたことがあります。
優れたエンジニアほど、手作業を繰り返すことを嫌い、一度の苦労で済むように自動化のコードを書くことに情熱を注ぐのだそうです。

これは、目の前の苦労から逃げ出すための、もっとも効率的な努力と言えるかもしれません。だとすれば、怠け者こそが、より高度な勤勉さを発明しているのではないかと思えてくるのです。

怠惰さの価値

一生懸命に働いている状態が必ずしも正しいわけではなく、むしろ、いかに働かなくて済むかを考える余裕こそが、文化や技術を発展させてきたのかもしれません。そう考えると、怠けたいという欲求は、人類が進歩するために必要な、もっとも基本的なエンジンであるように思えてきます。

「効率化」という言葉は少し冷たく聞こえますが、それは、限られた人生の時間を、やりたくないことに費やさないための知恵です。
真面目すぎる人は、目の前の作業をそのまま受け入れてしまいますが、怠け者は、この作業、本当にやる必要があるのかよ?と疑うことから始めます。この、疑う、というステップこそが、勤勉さを新しい次元に引き上げるのかもしれません。

心地よさの追求

もちろん、単に何もせずにダラダラと過ごすだけの怠慢もあります。それはそれで、休日の過ごし方としては最高に贅沢なものですが、ここで言う、勤勉に行きつく怠け者、とは少し種類が違う気がします。

私が今のところ辿り着いている考えは、本当の勤勉さとは、自分が心地よく過ごすための最短ルートを必死で探す態度、のことではないかというものです。

将来の自分が楽をするために、今の自分が少しだけ頭を使って仕組みを作る。その姿は、周囲からは非常に真面目で計画的な人に見えるでしょう。
しかし、その根底にあるのは、布団の中で二度寝を楽しみたいという、庶民的な願いだったりします。

そう考えると、私たちが、自分はなんて怠け者なんだろう、と落ち込む必要はないのかもしれません。その、めんどくさい、という感情は、実は現状をより良くするための種のようなものです。
その種を、単なる放置で終わらせるか、それとも、楽をするためのシステム作りに転換するか。その分かれ道があるだけなのではないでしょうか。

私もこれからも、堂々と怠けるために、精一杯の工夫を凝らして生きていこうと思います。それが結果として、誰かの役に立ったり、仕事がスムーズに進んだりするのであれば、それはもう立派な勤勉と言っていいはずですから。

みなさんも、もし今日、何かが面倒だと感じたら、それを、自分が進化するためのチャンス、だと捉えてみてはいかがでしょうか。

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