やつあたりをしても気分は晴れないことが判明

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仕事や学校で嫌なことがあったとき、つい近くにいる人に八つ当たりしてしまったり、物を強く乱暴に扱ってしまったりした経験はありませんか。「これだけ思いっきり発散すれば、少しは気が晴れるはずだ」…と思いたいところですが、最新の心理学研究によって、八つ当たりをしても気分は全く晴れないどころか、むしろ逆効果であることが分かってきました。

「怒りは心の中に溜め込まず、外に思い切り発散したほうがスッキリする」という考え方は、心理学の世界では「カタルシス効果」として長い間信じられてきました。嫌なことがあったら大きな声を出したり、ストレス解消グッズを激しく叩いたりして発散すべきだ、というアドバイスを聞いたことがある人も多いはずです。しかし、この一般的な常識が本当に正しいのかどうかについて、近年の科学的な実験でメスが入れられています。

心理学の研究において、怒りを感じたときにあえて攻撃的な行動をとることが、かえって怒りの感情を長引かせたり強めたりすることが示されています。例えば、アメリカのアイオワ大学のブラッド・ブッシュマン教授らが行った研究では、被験者にわざと腹の立つ評価を与えた後、グループごとにパンチングバッグを叩かせて怒りを発散させたり、何もしずに安静にさせたりする実験が行われました。

その結果、パンチングバッグを叩いて怒りを「発散」させたグループは、何もしなかったグループに比べて、怒りの感情や他者への攻撃性がさらに高まってしまったことが分かりました。つまり、怒りを外にぶつける行為は、脳に対して「今、自分は怒っているんだ」というシグナルを繰り返し送り続けることになり、結果として怒りの火に油を注ぐ結果になってしまうのです。

私たちが日常生活でイライラしたとき、「ここで思い切り文句を言えばスッキリするはずだ」と考えてしまいがちですが、こうした研究データはそれとは異なる現実を示しています。八つ当たりは一時的な気晴らしになるどころか、自分自身のストレスをさらに長引かせ、さらに周囲との大切な人間関係まで傷つけてしまう大きなリスクを孕んでいるということです。

怒りを感じたときは、感情をそのまま爆発させるのではなく、深呼吸をしたり、少しその場から離れて物理的に距離を取ったりするクールダウンのほうが、科学的な視点からは理にかなっていると言えます。

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